「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2025年3月6日

子どもの自殺増、対応は?

▼Q 子どもの自殺が増えていると聞き、心配です。何かできることはありますか?

▼A 小中高生の年間自殺者数は2022年から24年まで、全国で500人を超えています。九州では、福岡県と長崎県で増加傾向にあります。自殺の原因は明確に特定できませんが、学業不振や家族からの叱責(しっせき)、進路に関する悩みなどが複合的に絡み合っていることが多いようです。

これらの問題は、すべて大人が関わる場面でもあります。大人が子どもたちのSOSを受け止めることで、子どもたちの助けになれるはずです。

困りごとやつまずきなど「生きづらさ」を抱えた子どももいます。このような子どもと話す時には、その子どもの話をありのまま受け止め、否定もアドバイスもせずに傾聴する姿勢が大切です。

もし「死にたい」と言われても、徹底的に聴き役に回り、「心配している」ということを口に出して伝えてください。話の内容によっては、虐待やいじめなど、法的な介入が必要な場合もあり得ます。そのときは、弁護士などの専門家に相談できることを意識してください。

福岡県弁護士会では3月8日に自殺防止シンポジウムを開催します。基調講演は福岡市・天神の警固公園で夜回り活動などを実践している筑紫女学園大の大西良准教授で、若者を取り巻く環境や必要な対策について話してもらいます。事前申し込みは不要で、オンラインでも参加できます。詳しくは、弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 3月6日分掲載(中田拓也)

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