「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2024年10月17日

弁護士の仕事、女性は大変?

▼Q 弁護士になりたい高校生女子です。友達は「女性には大変では」と言います。実際どうですか。

▼A 性別を気にする必要はありません。弁護士は専門知識や各人の経験を生かせる仕事です。司法試験に合格する必要があり、勉強は大変ですが、性別の問題ではありません。

日本は憲法14条で性別による差別を禁止し、女子差別撤廃条約を批准しています。学ぶ機会も働く機会も平等で、性別に関わりなく働いて、自分らしい生活を送る権利があります。どうして弁護士になりたいのか、その思いを持ち続けてください。弁護士になったとき、それが力になります。

友達はどうして女性には大変だと思うのでしょうか。世の中には、女性が育児や家事を負担するのが当然と思い込んでいる人もいます。友達もそう考えているのではないでしょうか。

確かに、女性は出産する人も多く、出産や子育てで大変な時期もあります。しかし、子育ては大切な社会の一員を育てるために社会全体が協力して行っていくものです。パートナーも参加するのが当然です。女性ばかりが負担するものではありません。

現在、女性弁護士は全国で9200人超。裁判官や検察官も3割近くが女性です。興味があるなら、実際に働いている女性の話を聞くのが一番です。福岡県弁護士会では、10月20日午後1時から「来たれ、リーガル女子!」を開催します。女性の弁護士・裁判官・検察官が、仕事の魅力や働き方などをお話しします。詳しくは県弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 10月17日分掲載(徳永由華)

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