「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2023年7月5日

その廃業待った!事業承継を

▼Q 父の代から60年間ケーキ屋をやってきました。自分も75歳になり、引退を考えています。商売は順調ですが、後継者がいません。廃業するしかないでしょうか。

▼A 法テラスの「民事法律扶助制度」が利用できないか検討しましょう。この制度は、法テラスが弁護士費用などを立て替える制度です。立て替えられた費用は分割払いで法テラスに返還します。弁護士費用の基準も、一般より割安です。

あなたは譲渡の対価をもらえ、愛着のあるお店が地域に残ります。後継者はゼロから自分で開店準備しなくても、既にあるセットを使ってスムーズに事業を始められます。

弁護士、税理士に知り合いはいませんか。そこから後継者が見つかることもあります。金融機関が相談に乗ってくれることもあります。「事業承継・引継ぎ支援センター」などの専門機関もあります。

当然、後継者がどんな人で、ちゃんと経営してくれるか心配でしょう。同センターは、弁護士をはじめ、税理士、中小企業診断士などと連携しています。あなたの不安を聴き取り、分析してベストな後継者を探してくれます。うまく後継者候補が見つかれば、いつ、どういう条件で譲渡するかを決めて契約しますが、そこもサポートしてくれます。

7月20日は「中小企業の日」。福岡県弁護士会では、午後5時からシンポジウム「老舗を救った学生の熱意~大廃業時代における事業承継の新たな形~」を開催します。わずか24歳で創業130年超の老舗かまぼこ店を事業承継した林田茉優氏が講師です。オンラインでも参加できます。

西日本新聞 7月5日分掲載(岩橋愛佳)

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