「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2022年11月23日

生活困窮者の支援制度利用を

▼Q 今年から1人暮らしをしています。仕事はレジ打ちのアルバイトですが、普通に生活できる程度の収入はあります。ところが無駄遣いが多く、借金を重ねてしまい、借り入れが膨らんでしまいました。月々の返済は厳しく、生活が苦しいです。誰かに相談したいのですが、どうすればいいですか。

▼A さまざまな事情で生活に困っている人のために、「生活困窮者自立支援制度」という仕組みがあります。担当の相談員に生活の悩みを相談して、一緒に問題解決のための方法を考える制度です。

ご相談のように、相応の収入があるにもかかわらず、支出管理がうまくできず、家計が恒常的に赤字になってしまうといった場合。担当の相談員に家計の状況を把握してもらい、家計改善のためのアドバイスを受けることができます。市役所や町・村役場などに相談の窓口が設置されています。

また、福岡県の一部の自治体では、福岡県弁護士会や日本司法支援センター(法テラス)と連携し、生活困窮者自立支援制度で相談をしている人や生活保護を受けている人が、弁護士による法律相談を無料で受けることができる「リーガルエイドプログラム(LAP)」という事業を実施しています。LAPの相談も、市役所や区役所で受け付けています。

相談に来た人の中には、生活苦や借金苦のために自殺まで考えたという人もいました。一人で抱えこまず、生活全般にわたるあなたの悩み事、苦しんでいること、困っていることを、ぜひ私たち弁護士にご相談ください。

西日本新聞 11月23日分掲載(近藤健司)

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