「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2024年1月31日

「医療保護入院」退院したいが

▼Q 私は、精神科の病院に医療保護入院中です。院内では携帯電話が使用禁止で困っています。また、現在は状態も良くなり退院したいのですが、医師は家族の反対を理由に退院を認めてくれません。

▼A 医療保護入院とは、本人の同意がない強制入院の一つです。入院は、本来は本人の意思でするべきですが、精神保健福祉法では、医療と保護のために必要な場合には、家族などの同意で入院させることができます。

このような形で入院した本人の権利を保護するために、「処遇改善請求」や「退院請求」の制度があります。処遇改善請求は、入院中の生活の改善を求める制度です。ご相談の携帯電話の使用禁止などは、「処遇改善請求」で改善を求めることができます。また、あなたの場合、状態も良いようですので、「退院請求」が認められる可能性もあります。

これらの請求を審査するのは、病院ではなく、都道府県などの精神医療審査会です。審査会は、患者や医師に聞き取りを行った上で、入院の必要性などを判断します。

請求をするには、精神医療審査会に申し立てをする必要があります。この手続きは、弁護士に依頼することもできます。

福岡県弁護士会では、精神保健当番弁護士制度を実施しています。精神科病院に入院している人に対する初回無料の出張法律相談ができるのが特色です。依頼を受けた場合には、処遇改善請求や退院請求だけでなく、病院との交渉や家族との連絡、退院後の居所(施設)探しのお手伝いなどもできます。電話=092(741)3208=で申し込んでください。

西日本新聞 1月31日分掲載(柴田裕之)

目次