「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2017年5月3日

いじめ問題、学校に対応させるには

▼Q 中学生になる息子が同級生からいじめを受け、不登校になってしまいました。学校側はいじめはなかったと言うだけで対応してくれません。どうしたらいいでしょうか。

▼A 子どもの不登校は心配ですが、無理に学校に行かせるのではなく、子どもの気持ちを聞き、どうすればまた通えるようになるか一緒に考えることが大切です。そのためにも学校側には、何があったのかきちんと調査してもらう必要があります。

2013年に成立したいじめ防止対策推進法は、いじめの通報があった場合、学校は速やかにいじめの事実の有無を確認し報告しなければならないと定めています。そこで、この法律に基づいて調査の申し入れをしてはどうでしょうか。裁判手続きを行うことを予定していなくても、弁護士が代理人となって交渉することも可能です。子どもの気持ちや改善してほしいことを学校側に伝え、協議しながら問題点を整理し、子どもが安心して登校できるよう調整することもできますので、学校や教育委員会が対応してくれない場合には弁護士にご相談ください。

福岡県弁護士会では5月13日(土)に「こどもの日記念無料相談」=092(724)2644、092(752)1331=を行います(午前10時~午後4時)。いじめや不登校、家庭や学校での暴力、インターネットのトラブルなど、子どもに関するどんな相談でも受け付けます。気軽にお電話ください。

西日本新聞 5月3日分掲載(佐川民)

※このイベントは終了しました

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