「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2019年7月24日

新築なのに 雨漏りやドア不具合

▼Q 工務店に一戸建てのマイホームを建ててもらいました。ところが住んで間もなく雨漏りが発生したり、ドアの立て付けが悪かったりと、さまざまな不具合が出てきました。工務店に何とかしてもらいたいのですが。

▼A 新築の建物に不具合が発生した場合は、工事に瑕疵(かし)(欠陥)があったかどうかが問題になります。通常、新築は雨漏りやドアの開閉に不良がないことが求められるので、瑕疵があったと認められるケースが多いです。

まずは建築した業者に原因の調査や補修を求めます。業者が協力してくれない場合は、弁護士に依頼して業者に補修または損害賠償を求めます。交渉しても解決しない場合は、訴訟を起こす方法があります。

ただ裁判は厳密な立証が必要で時間も掛かるので、それ以外の解決方法もあります。マイホームが、評価機関から建設住宅性能評価書が交付された「評価住宅」や、住宅瑕疵担保責任保険契約が付いた「保険付き住宅」である場合は、各弁護士会の住宅紛争審査会制度が利用できます。
話し合いで早期解決を目指します。弁護士と建築士のペアによる無料相談窓口も設けています。

評価住宅や保険付き住宅でない場合は、裁判外紛争解決手続き(ADR)が利用できます。弁護士などが第三者として「あっせん人」になり、両方の当事者の言い分を公平に聞き、双方にとっていい解決を目指します。建築瑕疵を巡る紛争であれば、建築士の協力も得られます。

西日本新聞 7月24日分掲載(原田康太郎)

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