「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2013年10月30日

弁護士依頼 子どももできます

▼Q 僕は中学3年生です。両親が離婚して母と暮らしています。父とは時々会うくらいでしたが、その父が最近、会う回数を増やしてほしいということで、家庭裁判所に調停を起こしたそうです。僕もそういう場所で自分の気持ちを話したいのですが・・・。

▼A 今年から「家事事件手続き法」という新しい法律がスタートしました。親子に関わることについて、条件を満たせば子ども自身が家庭裁判所に手続きを申し立てたり、参加したりできる仕組みです。質問のような面会交流のケース以外にも、親権停止を申し立てられたり、そもそも離婚に伴う親権者を指定したりする場合も対象です。

親などの同意は必要なく、子どもの「意見表明権」を大事にしようという考えがあるからです。あなたの場合も、調停に出席して自分の気持ちを伝えることができますよ。

ただし、子どもだけできちんと本音が伝えられるか、不安に思う人もいるでしょう。手続きが難しいと感じる人もいるかもしれません。そういう場合は「子どもの手続き代理人」を付ける方法があります。「家事事件手続き法」で、未成年であっても弁護士を頼むことができるようになったのです。

この代理人は、あなたの立場に立ち、家庭裁判所で一緒に話をします。あなたの代わりに言い分を伝えることもできます。親に伝えてほしくない話は内緒にします。そう!子どもたちの新しい味方なのです。

弁護士に頼むのにお金の心配はしなくても大丈夫です。まずは無料の相談窓口=092(751)1331(毎週土曜の午後0時半~3時半)=に電話をしてみてください。

西日本新聞 10月30日分掲載(三浦徳子)

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