「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2023年12月20日

ゼロゼロ融資 返済どうしたら?

▼Q 飲食店の経営者です。コロナ禍で売り上げが下がり、金融機関から「ゼロゼロ融資」を受けました。もうすぐ返済が始まるのですが、まだ売り上げが回復しません。返済できないと破産するしかないのでしょうか。

▼A ゼロゼロ融資とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者に対する融資です。2020年3月から22年9月にかけて実施され、実質的に無担保・無利子でした。この融資の返済開始が本年度後半から本格化すると言われています。

売り上げが回復しないとのことですが、返済が遅れても必ず破産や民事再生などの法的整理になるわけではありません。まず、借入先の金融機関と話し合ってみてください。返済開始の延期や、毎月の返済額の減額に応じてくれる場合があります。

また、ゼロゼロ融資の借り換えも選択肢です。例えば、ゼロゼロではありませんが、利率が低いコロナ関連融資があります。これ以外にも「コロナ借換保証」や「挑戦支援資本強化特別貸付」などがあります。

コロナ借換保証は信用保証協会の制度です。しっかりした経営行動計画書を作り、金融機関からの継続的な指導を受けることなどを条件に、通常より大幅に有利な保証料で保証を受けることができます。挑戦支援資本強化特別貸付は日本政策金融公庫の制度です。借入金ではなく自己資本と扱われる資本性劣後ローンなので、財務面で有利です。

福岡県弁護士会では中小企業向けに初回無料の法律相談を行っています。ひまわりほっとダイヤル=(0570)001240=で予約できます

西日本新聞 12月20日分掲載(鬼頭良弥)

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