「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2011年11月10日

婚姻・離婚届を無効にできる

こちらが応じないので、何年も前に署名押印していた婚姻届や離婚届を勝手に役所に提出された-。現実にある話です。

婚姻には婚姻意思、離婚(協議離婚)には離婚意思が必要です。なければ無効となるのが原則。ただし、役所は通常、形式が整っていればそのまま受け付け、届出書の内容のまま戸籍に記載されます。

その有効性を争うには、一定の法的手続きを踏まなければならず、訴訟(裁判)を含め大変な労力を伴うことになります。

こうした場合を想定した防止策があります。「不受理申出書」の仕組みです。勝手に提出される可能性がある場合、あらかじめ役所に「婚姻届不受理申出書」「離婚届不受理申出書」という書類を提出しておけば、役所は受理しません。

意に反した婚姻届や離婚届が提出された場合は、家庭裁判所に「無効確認の調停」を申し立てることになります。調停で合意に達すれば、戸籍から婚姻や離婚の記載を抹消してもらうことができます。調停が不成立の場合は、裁判で無効を認めてもらわなければ抹消できません。

結婚や離婚は人生の一大事。トラブルを1人で抱え込まず、弁護士に相談してください。福岡県弁護士会は22日午前10時-午後5時、電話無料相談「女性の権利110番」を開設します。地域は問いません。気軽にお電話ください。

◆女性の権利110番=093(583)3331、093(583)3663

西日本新聞 11月10日分掲載(祖父江弘美)

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