「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2022年10月5日

検察審査会の審査、どのように

▼Q 私たち市民は検察審査会の審査員になることがあると聞きました。審査はどのように行われているのでしょうか。

▼A 検察官は事件の捜査後、裁判所に公訴を提起(起訴)するかどうかを判断します。提起しない処分を不起訴処分といい、刑事裁判は行われません。この処分に不服のある被害者などから検察審査会に申し立てがあった場合、処分の当否を審査します。

審査員は、選挙権を持つ国民からくじで選任されます。法律専門家の助言が必要な場合は、弁護士を審査補助員として選任します。

検察審査会は、申立人が提出した資料、不起訴処分の理由を具体的に記載した資料、捜査機関が収集した証拠などを踏まえて議論し、最終的には議決をします。

審査員は問題点ごとに議論をしますが、様々な意見があり、時に白熱することもあるようです。ただ、捜査機関の代わりに一から事件を捜査するわけではありませんし、不起訴処分の内容から離れて判断するわけでもありません。

議決は、原則として審査員の過半数で決します。不起訴処分が相当なものであれば「不起訴相当」の議決をします。逆に不起訴処分が不相当と判断した場合は2種類の議決があります。検察官にさらなる捜査と事実の解明を促す「不起訴不当」と、直ちに起訴すべきとする「起訴相当」です。「起訴相当」には審査員の3分の2以上の賛成が必要です。

「不起訴不当」や「起訴相当」の場合、検察官は議決の趣旨を踏まえて事件を再検討することになります。

西日本新聞 10月5日分掲載(柴尾知宏)

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