「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年3月11日

年金受給での不満は相談を

▼Q 私は抗がん剤の治療中。自宅での安静を指示され、思うように働けずに収入が減って困っています。障害年金を受け取ることができると聞きました。内容を教えてください。

▼A 障害年金は高齢者が受給する老齢年金と同じ公的年金の一つです。年金加入者が病気や事故で後遺症が残ったり、生まれつきの障害で良くなる見込みがなかったりする場合に、収入を補償し、生活を安定させる目的で支給されるお金です。がんを患って、抗がん剤治療中の人も症状によっては障害年金を受給できることがあります。

支給額は1~3級と障害の段階に応じて決定されます。障害者手帳とは別の制度なので年金事務所や市町村役場などの窓口で申請し、障害年金の等級を決めてもらうことになります。

しかし、制度が複雑で必要書類を集めるのは簡単ではありません。書類を集めても不支給になったり、低い等級が認定されて年金額が少なくなったりするケースもあります。このような場合には、行政機関に不服申し立てをして判断をやり直してもらったり、それでも結論が変わらなければ提訴して裁判所に判断してもらったりできます。

福岡県弁護士会では障害年金も含めた行政に関する無料相談「行政ホットライン」を毎月実施しています。今月は14日午前11時~午後3時に福岡市中央区の県弁護士会館で春の相談会を開催。面談は事前予約=092(741)6416。電話相談=092(724)2644。

西日本新聞 3月11日分掲載(木村道也)

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