「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2021年11月10日

飲食店開業に必要な手続きは?

▼Q 独立してレストランを始めたいと考えているのですが、手続きがたくさんあって混乱しています。どうしたらいいですか。

▼A 独立して会社を設立する場合には、会社法にのっとって定款の作成や登記などをします。個人の場合でも税務署へ開業届を提出する必要があります。これであなたも事業者の仲間入りです。

特に事業を行う上で重要なのが、契約関係です。創業する時は、資金の借り入れ、店舗の賃借や工事、備品の購入やリース、広告宣伝など、さまざまな取引を行います。これらはすべて「契約」です。従業員の雇い入れも大事な契約で、労働条件通知書や就業規則などを作成する必要があります。契約内容に問題がないか、弁護士にチェックしてもらうと安心でしょう。

実際に業務を行うために、法律上必要な手続きもあります。保健所の飲食店営業許可、労働保険や社会保険関係の届け出などです。料理のメニュー表一つをとっても、景品表示法などに違反しないよう注意が必要です。これらの手続きに加えて、「本業」であるメニュー開発や仕入れ、従業員のトレーニングなどを進めていくことになります。営業に集中するため、面倒な手続きは専門家に任せてみてはいかがでしょうか。

福岡県弁護士会は、福岡市中央区大名の「スタートアップカフェ」で毎週木曜午後6~8時、創業に関する無料相談を実施しています。全国の中小企業向けのひまわりほっとダイヤル=(0570)001240=では、事業についての相談に初回無料で応じています。

西日本新聞 11月10日分掲載(山本恭輔)

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