「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2012年1月19日

「弁護士保険」を活用しよう

車にはねられたのに加害者の対応に納得できない、玩具で子どもがけがをしたのでメーカーを訴えたい、家具が壊れた責任を引っ越し業者に問いたい・・・。

このように、日々の暮らしの中で事故や被害に巻き込まれたら「弁護士保険」を思い出してください。2000年10月から販売が開始されています。

この保険は、弁護士の当てがない人にも個別に紹介し、相談も含めた依頼費が保険金で支払われる仕組みです。利用者は年々増え、その多くが自動車保険の特約として加入しています。特に車を運転している人は、証券を確認してみてください。

この仕組みは、日本弁護士連合会と都道府県ごとにある弁護士会で設立したリーガル・アクセス・センター(LAC)が、協定を結んだ各保険会社など(現在11社)と話し合って開発したものです。

また、弁護士保険を使用する中で何らかのトラブルが発生した場合に、保険会社と担当弁護士から事情を聴き、問題点の分析と解決方法を検討します。さらに、定期的に保険会社と手続きに関して意見交換しながら、利用者により安心して使っていただけるよう改善に努めています。

今のところは交通事故がほとんどですが、将来的には労働問題や離婚にも活用できるよう、対象分野を拡大する研究も重ねています。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 1月19日分掲載(安原伸人)

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