「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2018年1月10日

美容医療でもクーリングオフは可能に

▼Q 先日、美容医療のクリニックで脱毛をすすめられ、断れずに3カ月で10万円の契約をしてしまったのですが、解約できますか。

▼A 改正特定商取引法が昨年12月1日に施行され、医療機関も一定期間内の契約解除(クーリングオフ)の適用対象になりました。

具体的には(1)脱毛(2)にきび・しみ・そばかす・ほくろなどの除去(3)肌のしわ・たるみ取り(4)脂肪の溶解(5)歯の漂白-などについては、定められた方法(光の照射、薬剤の注射など)によるときには、クーリングオフできるようになりました。

ただし期間が1カ月を超えて継続して行われる美容医療契約で、金額が5万円を超える、という二つの要件を満たす場合です。

このような契約であれば、クリニックから法定書面を交付された日から8日以内であればクーリングオフできますし、8日を超えた場合でも中途解約できます。

中途解約はクーリングオフとは違い、契約を最初からなかったことにできるわけではなく、3カ月契約としていても、理由なく途中で解約できるものです。

契約書を確認して、昨年12月1日以降の契約でしたら、クーリングオフか中途解約を、クリニックに対して通知してください。トラブルの可能性を考えると、配達証明付きの内容証明郵便で出した方が確実です。分からない場合には、悩まずにお近くの消費生活センターや弁護士にご相談ください。

西日本新聞 1月10日分掲載(山田裕二)

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