「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2023年12月13日

19歳でも検察審査員に選ばれる?

▼Q 検察審査員の候補者に選ばれたという通知が届きました。19歳の私でも選ばれるのでしょうか。

▼A 検察審査会は、検察官の不起訴処分の善しあしを審査する機関です。全国に165カ所あります。そのメンバーが検察審査員です。検察審査員は、衆議院議員の選挙権を有する方から選ばれます。毎年「くじ」で検察審査員の候補者名簿が作られるのです。あなたに届いたのはその通知です。

19歳でも検察審査員に選ばれます。2016年6月から、選挙権年齢が18歳に引き下げられました。これと連動して、裁判員や検察審査員に選ばれる年齢も18歳になったのです。もっとも、裁判員や検察審査員に選ばれる年齢が18歳になったのは、22年4月のことです。

少し遅れた理由は少年法の整備が必要だったからです。罪を犯した18、19歳は少年法で保護されています。その18、19歳が人を起訴したり裁いたりする側の判断をしてよいのかという問題意識が国会にあったともいわれています。その後、少年法が改正され、18、19歳を「特定少年」として成人に近い扱いとするなどの法整備がなされたことを受け、裁判員や検察審査員の年齢も18歳以上に引き下げられました。

18歳になったら責任ある主体として社会に参加してほしいという期待から、選挙権年齢が引き下げられました。刑事事件は社会の問題を反映しています。若者の感覚が刑事裁判や検察官の不起訴処分の善しあしに反映することは望ましいことです。これも有意義な社会参加です。検察審査員に選任された場合には積極的に参加しましょう。

西日本新聞 12月13日分掲載(増田佳子)

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