「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2017年10月4日

17歳の選挙違反には注意を

▼Q 高校3年の17歳の子どもがいますが、今回の総選挙については関心があるようです。親として気を付けるべきことはありますか。

▼A 昨年、選挙権年齢が18歳に引き下げられて以来初めての衆院選です。高3のクラスには、選挙権がある18歳と、選挙権を持たない17歳が両方いることになります。

そこで注意が必要なのは選挙違反行為です。特定の候補者や政党を応援する行為は選挙運動となりますが、選挙権のない人が選挙運動をすることは禁止されています。

「高校生が選挙運動なんて」と思われるかもしれませんが、今はネットへの投稿も選挙運動です。

このため、選挙権のない17歳の生徒が、ツイッターで、他の人が特定候補を応援するつぶやきに共感してリツイート(転載)したりすると、選挙違反になってしまいます。

とはいえ、近い将来選挙権を持つことになる若い人が選挙や政治に興味を持つことは重要で、興味や関心は大切にしてあげたいところです。

選挙の仕組みはどうなっているのか。各政党はどういう理念やどういう政策を掲げているのか。そうしたことを、友だちや家族と一緒に調べたり意見交換したりして、自分なりにどの政党や候補者を支持するか考えること自体は、選挙違反行為にはなりません。選挙違反には注意しながらも、選挙や政治について、家族の中でも話をしてみてはどうでしょうか。

西日本新聞 10月4日分掲載(甲木真哉)

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