「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年9月23日

書き込み 情報開示請求で特定も

▼Q インターネットの電子掲示板に誰か分からない人から自分や自分が勤める会社の誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が書かれたり、脅すようなことが書かれたりしています。どうしたらよいでしょうか。

▼A 内容が脅迫や名誉毀損(めいよきそん)と感じた場合は最寄りの警察署に相談しましょう。刑事事件として捜査してくれるかもしれません。誹謗中傷の場合、具体的事実の記載がないと刑法の名誉毀損罪での立件が困難で警察も捜査しない場合があります。

書き込みをした相手を特定するには掲示板の運営者に対し、プロバイダー責任法に基づき発信者情報を開示請求します。請求の書式は「プロバイダー責任制限法関連情報Webサイト」にありますので、書式に従って記載をすれば情報開示を請求できるようになっています。

運営者が誰か分からない場合は、掲示板のドメイン名をネット上の「Whoisサービス」で検索して調べます。プロバイダーに発信者情報のログ(アクセス情報やデータの入出力状況など)が残っている期間が短い場合もありますので、書き込んだ相手を特定したい場合は早めに情報開示請求をしましょう。

自分で情報開示請求をすることが難しそうだという人は早めに専門家に相談するのがよいでしょう。行政関連の相談先として「違法・有害情報相談センター」があります。福岡県弁護士会でも詳しい弁護士が相談に応じます。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 9月23日分掲載(瀬戸伸一)

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