「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2014年2月12日

紛争解決センターの利用を

▼Q 隣の人と敷地の境界線でもめています。とはいえ裁判を起こすのは大変そう。ほかに解決方法はありますか。

▼A 法的紛争を解決する手段として一番に思い浮かぶのが裁判。ただ、手続きが専門的かつ複雑で、通常は弁護士に依頼する必要があるなど、時間や費用の点でも心配です。

そこで簡単で迅速、廉価な手段として「ADR(裁判外紛争解決手続き)」があります。各都道府県の弁護士会が「紛争解決センター」などの名称でADRを運営し、円満な解決の実績を上げています。九州では、福岡、熊本、鹿児島各県で取り組まれています。

この「弁護士会ADR」は、経験豊富な弁護士が間に入って双方の言い分を聞き、基本的には話し合いによる解決を目指します。非公開で、弁護士を代理人に立てる必要はありません。

特色は、取り扱う紛争の種類に制限がないこと。家族や近隣との紛争、建築や医療など専門的分野も扱います。「こんな問題を取り上げてもらえるのだろうか?」といった心配には及びません。金銭請求はもちろん、相手方に説明や謝罪を求めたいといった内容の申し立ても含めて幅広く受け付けています。

また、裁判と違って土日祝日に開くなど、利用者の都合に合わせて柔軟に対応できるのも弁護士会ADRの強みです。最寄りの弁護士会にお問い合わせください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 2月12日分掲載(管納啓文)

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