「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2021年8月25日

下着姿の写真を送ってしまった

▼Q 中学生です。ダイエット飲料のモニターに誘われ、相手を女性だと思って下着姿の写真を送りました。すると「もっと送らないと公表する」と言われました。

▼A 写っている人の同意なく性的な画像をインターネット上に公表する行為は、リベンジポルノ法で刑事罰の対象となります。写っている人が18歳未満なら児童ポルノ禁止法違反にもなります。被害が後を絶たないのは、目的を隠して送らせる手口が多いからです。

どんな理由でも、性的な画像を要求する相手は信用できません。会員制交流サイト(SNS)で知り合った本名や顔を知らない人はもちろん、交際相手でも、誰かに見られて困るような写真や動画は撮らせたり送ったりせず、きっぱり断る勇気が必要です。

それでも送ってしまったときは、相手とのメッセージやメール、電話の着信履歴などを消さずに保存し、すぐに警察に相談します。

画像がネット上に流出している場合は、警察庁が委託するインターネット・ホットラインセンター(IHC)に通報しましょう。通報は匿名でできます。わいせつ画像、児童ポルノ、薬物関係など、通報内容で違法と判断できるものは、IHCから警察への通報、プロバイダー(接続業者)への削除要請がなされます。

プロバイダーなどに自分で削除要請することもできますが、一度流出したものを全て消すことは非常に困難です。プライバシーに関わるデジタルデータを誰かに送信することは、全世界に見せて回るのと同じですよ。

西日本新聞 8月25日分掲載(塗木麻美)

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