「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2019年5月1日

子どもが学校に行きたがらない

▼Q 子どもが小学校に入学しましたが、学校に行きたくないと言います。一度休ませると、そのまま学校に行かなくなるのではと心配で、嫌がる子どもを毎朝、無理に送り出しています。このままでいいのでしょうか。

▼A ご入学おめでとうございます。新しい環境は保護者も心配だと思いますが、それ以上に子どもたちは不安でいっぱいです。学校に行きたがらないことを問題行動と捉えずに、なぜ学校に行きたくないと思っているのか、ゆっくりと話を聞いてあげてください。

1994年に日本が批准した国際条約、子どもの権利条約には、「子どもの意見表明権」として、子どもは自分の意見を表明する権利を持ち、大人は子どもの発達に応じてその意見を考慮するよう定められています。友達とうまく話せない、学校のスケジュールや決まりに慣れない、といった子どもなりの理由があると思います。理由によっては学校に伝え、安心して登校できるようになる方法を話し合ってみてはどうでしょうか。

福岡県弁護士会は18日午後2時から、子どもの権利条約批准25周年記念ライブ&トーク「うまれてきてくれてありがとう」を福岡市中央区六本松の県弁護士会館で開きます。シンガー・ソングライターmonさんが、子どもの時にいじめられた体験を歌と語りで伝えます。子どもの意見表明権をどのように保障していくかについても会場の皆さんと共に考えます。参加希望者は10日までに同会ホームページから申し込んでください。

西日本新聞 5月1日分掲載(栁優香)

※このイベントは終了しました

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