「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2012年7月26日

リストラの要件厳しく

▼Q 残業代も出なかった揚げ句、リストラを理由に突然、解雇を言い渡されました。仕方ないことなのでしょうか。

▼A リストラのような経営上の理由による解雇は、法律で定めた厳しい要件を満たしておかなければなりません。すなわち(1)人員削減の必要性が存在する(2)解雇を回避する努力が尽くされている(3)解雇される者の選定が合理的(4)事前に説明・協議の義務を尽くす-といった要件です。

まずは会社に、解雇理由を明示した書類の交付を求めます。すぐに納得できない場合は、退職金を請求するなど矛盾した言動はせず、解雇の撤回を求め、就労の意思があることを内容証明で通知しておきましょう。

また、就労時間は法で決められています(1日8時間、週40時間)。時間外労働には当然、割増賃金(25%以上)が支払われなければなりません。ただし2年で時効となります。

こうした「働く」ことをめぐるトラブルも、少しの法知識があれば上手に回避・解決でき、労使双方にとって気持ち良い職場環境づくりにつながるはずです。そこで福岡県弁護士会は今夏、自治体との共催で賃金未払いや解雇、雇い止めに関する労働教育講座を開きます。気になる弁護士費用や解決までにかかる時間の説明もします。ぜひ、ご参加を。

◇福岡県内の労働教育講座は30日に久留米市の「エールぴあ」、8月7日に福岡市の「あいれふ」で開催。いずれも午後6時半からで受講無料(事前に申し込みを)。福岡県労働政策課=092(643)3583。

西日本新聞 7月26日分掲載(篠原一明)

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