「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2024年9月5日

中古住宅、工事後に問題が

▼Q 中古の一戸建て住宅を購入し、出窓をリフォームしました。その後、出窓付近が雨漏りするようになりました。工務店は、建物のもともとの劣化が原因で、工事のせいではないと言います。どうすればよいでしょうか。

▼A 雨漏りの原因によって対応方法が変わります。リフォーム工事が原因であれば、工務店の債務不履行です。工務店に対して補修などを請求できます。建物の劣化の場合は、売主との問題となり、少々複雑です。売主が不具合の責任を負わない契約になっていたり、責任を負う期間が限定されていたりすることが一般的です。売買契約書を確認した上で、売主や仲介業者に連絡しましょう。

そして、雨漏りの状況を写真や動画に残しておくことが大切です。工務店や売主らとのやりとりは文書や電子メールを利用するのがよいでしょう。後の証拠となります。

雨漏りの原因や、誰にどのような請求をするかの判断には、建築や法律についての専門知識が必要です。早めに専門家に相談することをお勧めします。 不具合による修理費用などを補償する住宅瑕疵(かし)保険に加入しているなら、住宅紛争審査会に相談してみてください。全国の各弁護士会に設置されている紛争解決機関で、弁護士と建築士がペアで担当し、相手方との交渉をサポートします。中古住宅の購入やリフォーム工事なども対象です。

住まいに関する困りごとは「住まいるダイヤル」=(0570)016100=まで。

西日本新聞 9月5日分掲載(上村武)

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