「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2014年2月19日

仕組み債、理解した上で購入を

▼Q 証券会社から「株より利益が大きく安全」として「日経平均リンク債」という金融商品を購入しました。後日「ノックイン事由発生のお知らせ」という書類が届きました。元本が保証されるか心配です。

▼A あなたが購入したのは「仕組み債」と呼ばれ、文字通り、一般的な債券にはない特別な仕組みの商品です。日経平均リンク債の場合、基準日からの日経平均株価の変動率などにより償還金や利率が変動します。日経平均株価が評価日に基準価格を下回る(ノックイン)と、投資より少ない額しか償還されないので損失が発生します。元本は保証されません。

このように、仕組み債はオプション(約束した価格で1カ月後など将来に売ったり買ったりできる権利)や、スワップ(金利や通貨を交換する取引)などの「デリバティブ(金融派生)商品」を組み込んだものです。

そうした言葉自体も含めて、内容が極めて専門的かつ複雑なため、投資経験のない人は理解がかなり困難です。販売の担当者でさえ正確に内容を理解しているか疑問です。解約や転売ができないリスクもあります。問題となるのは、きちんとした説明がされず、十分に理解できていないケースが多いようです。

損害については証券会社や銀行に賠償請求する方法もあります。福岡県弁護士会では22日午前10時~午後4時、投資被害に詳しい弁護士が電話相談=092(724)2644=に応じます。気軽にご利用ください。

西日本新聞 2月19日分掲載(花田芳夫)

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