▼Q　自転車事故に備えた保険があると聞きました。入った方がいいでしょうか。

▼A　自転車に乗るなら「自転車保険」に加入しましょう。九州でも多くの県で、利用者に保険加入を義務付ける条例が制定されています。近年、自転車による交通事故が大きな問題となっています。運転中に、別の自転車や歩行者に衝突してけがをさせ、加害者になることも少なくありません。

加害者になると、相手のけがの程度に応じた賠償義務を負います。被害者が亡くなったり、障害が残ったりして、裁判で1億円近い賠償を命じられたケースが複数あります。子どもが起こした事故で、保護者に賠償を命じた事例もあります。

自転車事故は、誰もが当事者になる可能性があります。ただ、多額の賠償金を支払える人はほとんどいないでしょう。賠償できなければ、被害者や加害者だけでなく、その家族の人生までも壊しかねません。自転車保険はこうした事態を避けるのに役立ちます。

条例制定の広がりを受け、多くの保険会社が自転車保険を扱うようになりました。保険料が月数百円のものもあり、手軽です。自動車保険などの特約として加入できる場合もあります。インターネットで調べたり、保険会社に確認したりしてみてください。

自転車は身近な存在ですが、危険な乗り物でもあります。今回の記事をきっかけに、その危険性と、万一の事故に備える必要性を意識していただけたらと思います。

西日本新聞 5月26日分掲載（竹内佑記）