「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2022年5月4日

プラスチック新法とは?

▼Q プラスチックのリサイクルに関する法律が施行されたと聞きます。私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか。

▼A 海洋プラスチックごみ問題が深刻化し、国際的にプラ製品の使用抑制やリサイクルなどの推進が必要となってきたことから、4月1日にプラスチック資源循環促進法が施行されました。レジ袋については、2020年に有料化されましたが、同法はプラ製品全般の使用量を減らすために、「選んで」「減らして」「リサイクル」しようというものです。

まず「選ぶ」に関しては、国が、環境に配慮した製品を作るための指針を策定し、その指針に沿った製品を認定、公表していく予定ですので、消費者としては環境に配慮した製品を「選ぶ」ことができます。

「減らして」については、プラスチックのスプーンやストロー、ハンガー、歯ブラシなど12品目を「特定プラスチック使用製品」として指定し、これらを年間5トン以上取り扱う事業者は、有料化や再利用などの削減対策が求められます。既に、コンビニが提供するスプーンなどのプラスチック使用量を減らしたり、植物性由来の素材を配合したものを導入したり、ホテルが歯ブラシなど一部備品の提供を廃止する動きがみられます。

また、自治体が回収する家庭ごみのプラスチック分別回収や、店頭での回収などが段階的に導入され、「リサイクル」が進むことが予想されます。私たちの生活も環境に配慮した対応が求められることになりそうです。

西日本新聞 5月4日分掲載(馬場安紀子)

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