「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2017年11月22日

新聞記事、フェイスブック転載OK?

▼Q 新聞の電子版を購読しています。最近面白い記事を見つけました。この記事をフェイスブックに転載すると、つながっている友人が記事を見て楽しんでくれると思うので紹介したいと思います。法律上問題がありますか?

▼A 紹介のため、無断で新聞記事をコピーしてフェイスブックに転載することは、各新聞社の著作権を侵害する行為ですので控えましょう。

「何年何月何日、誰々が結婚した」といった単純なものは別として、通常の新聞記事は、題材の選択、文章構成、用語の選択に記者の個性が表れているため、著作物として著作権法によって保護されます。保護される記事の著作権は各新聞社が有しています。

これをフェイスブックに無断転載すると、一定の場合を除いて、新聞社の著作権(公衆送信権)を侵害する行為になります。侵害とならない一定の場合とは、記事を「引用」として利用する場合です。

しかし「引用」としての利用は、そもそも新聞記事という著作物を、自分の創作物の一つとして利用する場合でなければ認められません。

ですので、紹介のため、単に記事をフェイスブックに転載するだけでは「引用」と認められる余地はないでしょう。

記事を友人に紹介したいのであれば、各新聞社が運営するフェイスブックのホームページ上で公開されている記事を「シェア」(共有)するようにしましょう。

西日本新聞 11月22日分掲載(島内崇行)

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