▼Q　自動車の追突事故に遭い、首や背中の痛みで通院中です。治療費は相手の保険会社が支払っていますが、早めに弁護士に相談しておいた方がよいでしょうか。

▼A　具体的な賠償交渉は治療終了後に始まります。このため「弁護士に相談するのは治療が終わってから」と考える方もおられますが、そのようなことはありません。むしろ、事故後できるだけ早期に相談することをお勧めします。

体の痛みや違和感があれば、通院し治療を受けることが最優先です。仕事が忙しいなどの理由で、痛みがあるにもかかわらず通院を控えていると、後に「通院を要するほどの痛みはなかった」と評価されてしまうこともあります。通院段階から弁護士に相談していれば、通院頻度もアドバイスを受けることができます。

損害賠償交渉の際は、証拠が重要となります。例えば、病院や薬局の領収書、通院の際のタクシーのレシートなどです。何が必要か分かっていないと、紛失したり忘れてしまったりすることがあります。ドライブレコーダーの映像のように、保存しておかないと消えてしまう証拠もあります。また、事故車両の写真は、事故の様子を推定する手掛かりになりますが、修理が完了してから撮影することはできません。早期に弁護士に相談しておくことで、いざ請求する段階になって証拠がない！　という事態を避けることができます。

保険の弁護士費用特約に加入していれば、弁護士への相談料も支払いの対象です。弁護士を紹介する保険会社もあります。福岡県弁護士会は交通事故無料法律相談＝予約092（741）3208＝も行っています。

西日本新聞 10月25日分掲載（田中祥太郎）