「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2017年6月14日

精神的DVを受け離婚を考えている場合

▼Q 夫が私の人格を全否定したり、怒ると物を壊したりするのでつらいです。離婚を考えていますが、どうすれば良いでしょうか。

▼A 今までよく頑張ってこられましたね。あなたが受けているのは、ドメスティックバイオレンス(DV)の被害と考えられます。

DVには、身体的な暴力のほか、精神的暴力といって、言葉や、物を壊すことなどにより配偶者を傷つける行為も含まれます。最近はモラルハラスメントと呼ばれることもあります。ほかにも、生活費を渡さない、性行為を強要する、といったこともDVの一種です。

離婚を進めるには配偶者と話し合いができれば良いのですが、DVがあるケースは難しいことも多いです。そのような場合、家庭裁判所で調停や裁判をする方法があり、手続きの中で精神的DVも主張できます。

ただし、裁判で離婚が認められるには、法律上の離婚原因を立証する必要があります。精神的DVは目に見えない暴力なので実態が伝わりにくく、証拠の準備が必要な場合もあります。弁護士や各自治体の女性センターの相談員などへ相談することをお勧めします。

福岡県弁護士会は23~30日の期間中の午前10時~午後4時、弁護士が無料で電話相談に応じる「女性の権利110番」を実施します。実施日程や電話番号は地域で異なるので、詳細は県弁護士会のホームページか
電話=092(741)6416=で確認してください。

西日本新聞 6月14日分掲載(馬場彩)

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