「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2014年8月27日

災害関連死も支給される

▼Q 豪雨で近所の河川が氾濫して洪水となり、自宅が流されました。近くの避難所での生活を余儀なくされています。私の夫はもともと体調を崩して自宅療養していたのですが、避難所生活で体調が悪化し、亡くなりました。親族が災害で死亡した場合に金銭が支給される制度があると聞いたのですが、私はこの制度を利用できますか?

▼A 親族が災害により死亡した場合、市町村から遺族に災害弔慰金が支給される制度があります。生活維持者が死亡した場合には最高500万円、その他の者が死亡した場合には最高250万円が支給されます。市町村が支給額を決定して支給するので、お住まいの市町村にお申し込みください。

今回のケースは、洪水が直接の原因で亡くなったわけではありませんが、災害弔慰金は災害がなければその時期に死亡しなかった場合、いわゆる災害関連死でも支給されます。もっとも、災害関連死か否かの判断は難しい場合もあります。そのため、都道府県、市町村には災害関連死認定委員会という調査機関があります。災害関連死か否かの判断が難しい場合は専門家による証明が必要な場合もありますので、お近くの弁護士に相談されるといいと思います。

災害弔慰金制度以外にも被災者支援制度は多数あります。災害時には市町村や弁護士会に相談してください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 8月27日分掲載(吉野大輔)

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