「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2021年8月18日

SNSで写真を送りそうに

▼Q 中学生の娘が会員制交流サイト(SNS)で知り合った男性に、裸の写真を撮って送るよう言われたそうです。幸い親に相談してくれましたが、今後被害に遭わないか心配です。

▼A 夏休みやコロナ禍で、子どもがスマートフォンに向かう時間が増えているかもしれません。スマホは便利ですが、過激な性描写や暴力の画像・動画を見てしまう、年齢も性別も分からない人とつながってしまう、といった危険がつきもの。総務省の「インターネットトラブル事例集」を親子で読むなどして、SNSで知り合う相手がいい人ばかりではないことをしっかり教えましょう。

SNSでは、親しくなったり、個人情報を握ったりした上で裸の写真を要求する事例も珍しくありません。しかし18歳未満の裸などの画像は保持しているだけで、児童ポルノ禁止法により刑事処罰の対象となります。写真を送っていたら、犯罪の被害者になっていた-と教えると、お子さんの意識が深まるかもしれません。

保護者自身にもやれることがあります。まずはスマホやWi-Fiのフィルタリング機能を使って、子どもが有害な情報にアクセスできないようにしましょう。SNSでの交友に問題があるなら、SNSアプリの動作を止めることもできます。子どもは嫌がるかもしれませんが、安易に解除することは危険にさらすことだと肝に銘じてください。

次回は、もし写真を送ってしまった場合について説明します。

西日本新聞 8月18日分掲載(塗木麻美)

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