「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2011年8月18日

労働審判 手軽で迅速

「未払いの賃金や残業代があるのに、会社といくら話してもらちが明かない」「突然解雇され、納得できない」…。こうした悩みを抱えた人が増えています。かといって、訴訟(裁判)を起こすとなると時間や費用が心配な人も多いでしょう。請求する金額によっては“費用倒れ”になる場合もあります。

そこでお勧めしたいのが、勤め先とのトラブルを簡易、迅速に解決できる「労働審判」制度です。裁判官1人と労働問題に詳しい民間の労働審判員1人の計3人でつくる審判委員会が、当事者双方から意見を聞いて話し合いによる解決を目指し、まとまらなければ最終的に審判を下す-という仕組みです。

最長でも審判期日3回まで。その間にお互いに納得のいく結論が得られなければ、審判が下されます。その審判の結果に納得できないときは、異議を申し立てることによって通常の訴訟手続きに移行します。

福岡県の場合、福岡地裁本庁と小倉支部で行われています。申し立て件数は全国で4番目に多く、解決までの平均日数は60日を切り、これは全国一のスピードです。全体の約8割が訴訟に移行することなく解決しています。弁護士費用も他の訴訟に比べて安価な傾向にあります。

泣き寝入りが目立った労働問題の解決に有効な制度です。弁護士がお手伝いできます。まずはご相談を。

◆天神弁護士センター=092(741)3208(要予約・30分5250円)。

西日本新聞 8月18日分掲載(國嶋洋伸)

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