「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2022年9月14日

「行政調査」どう対応すれば?

▼Q 従業員10人の運送会社で専務をしています。労働基準監督署から調査に伺いたいとの連絡がありました。どうしたらよいですか。

▼A いわゆる「労基署の立ち入り調査」ですね。まず、問題があるから調査するとは限りません。無作為に行う定期監督もあります。落ち着いて対応してください。

次に、その調査が任意か強制かを確認しましょう。任意の調査は拒否できますが、拒否して強制の調査に進むこともありますので、基本的には拒否せず、調査にしっかり対応した方がよいでしょう。

調査では、業務日報や給与台帳などの提出を求められます。さらに、こまごました質問も受けます。必要になりそうな資料はあらかじめ準備しておきましょう。質問に慌てて答える必要はありません。確認しないと分からないことは、確認してから答えましょう。

このような調査は「行政調査」と呼ばれます。消防署の立ち入り検査、飲食店への保健所の調査も行政調査です。行政調査は法律が行政機関に与えた権限です。したがって、法律が認めた範囲内でしかできません。分からないことは遠慮なく担当者に聞いて構いません。

ご相談のケースでは、調査は任意か強制か、拒否するとどういう不利益があるのかなどを聞くとよいでしょう。不安なら、弁護士が調査に同席することも可能です。

行政調査より強力な「行政措置」「行政処分」などもあります。福岡県弁護士会では、行政ホットライン(無料相談)=予約番号092(741)6416=を実施しています。ぜひご相談ください。

西日本新聞 9月14日分掲載(山本哲朗)

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