「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2022年11月16日

まずは「人権ホットライン」へ

▼Q 引っ越し先を探しているのですが、外国人には部屋を貸せないと言われました。誰に相談したらいいですか。

▼A まずは「ふくおか人権ホットライン」に電話してください。福岡県から委託を受けて同県弁護士会が実施している無料の法律相談窓口です。予約は不要で、福岡県以外の人でも大丈夫です。名前を言いにくければ、匿名でも相談できます。

今回のケースで言うと、外国人の入居予定者との賃貸借契約を拒否した家主に慰謝料100万円の賠償を命じた判例もあります。このような例を引用して交渉されると良いと思いますし、交渉のやり方もアドバイスします。

現代の人権問題は多様化しています。「インターネットに個人情報を掲載された」「性的少数者であることを理由に就職を断られた」「同和地区出身だからと結婚に反対された」などです。このため、自分が抱える問題をどこに相談していいか分からないことも増えています。

「ふくおか人権ホットライン」では、さまざまな人権問題に詳しい弁護士があなたと一緒に考えます。また、そのことが社会を変えていく原動力となり、あなたと同じ問題を抱える誰かの力にもなると思います。例えば、旧優生保護法による不妊手術の強制は、現在では著しい人権侵害であることが共通理解となっていますが、被害者が声を上げることで問題意識が高まりました。

ふくおか人権ホットラインの相談日は、毎月第4金曜日の午後3時から同6時まで。専用電話=092(724)2644。お気軽にご相談ください。

西日本新聞 11月16日分掲載(中山篤志)

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