「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年3月25日

犯罪被害後は証拠保全を

▼Q 夜道を歩いていて性犯罪の被害を受けました。まだ気持ちの整理がつかず、被害を警察に届け出ていません。どうしたらよいでしょうか。

▼A 犯罪被害に遭った方は、被害による不安感や恐怖感、自責の念などさまざまな感情で気持ちの整理がつかず、捜査機関への告訴、告発が遅れることも少なくありません。加害者に処罰を求めたり、損害賠償請求をしたりするには、犯罪被害にあった事実を立証するための証拠が必要となります。証拠を確保しておくために犯罪発生後できるだけ早く、警察など捜査機関に告訴、告発し、証拠を保全してもらうことが大切です。

気持ちの整理がつかず、どうしても届け出ることができないという場合でも、できるだけ犯罪の裏付けとなる証拠を保全しておく必要があります。例えば、事件現場や事件時に着ていた衣類や持ち物をなるべくそのままの状態で保管し、写真を撮っておきます。けがをした場合は医師の診断書を入手したり、けがの状態を写真で撮影したりします。また、治療費や通院の交通費の領収書なども保管しておくとよいでしょう。

福岡県弁護士会では、犯罪被害者を対象にした無料電話相談を行っています。面談による相談も可能です。お気軽にご相談ください。

◆福岡県弁護士会の犯罪被害者無料電話相談(犯罪被害者支援センター)=毎週火曜と金曜日の午後4~7時。092(738)8363。

西日本新聞 3月25日分掲載(疋田 陽太郎)

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