「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2012年5月10日

直接相談が解決の早道

今やインターネット上には無数の情報が蓄えられ、使い方次第ではいくらでも有益な情報が手に入ります。法的な問題にしても、裁判所や弁護士会、法律事務所からコンサルタント業者に至るまで、役に立つ情報は少なくありません。

とはいえ、例えば病気になったときに、ネット上でいくら多くの知識を得ても治せるわけはなく、結局は病院へ行くはずです。薬や治療法のことなど、やはり医師から直接アドバイスを受けた方が安心でしょう。

法的トラブルを抱えたときも同じです。事件はケース・バイ・ケース。相談の内容、手持ちの証拠、相手方の証拠によっても展開は変わります。当事者が関係ないと思っている事実や証拠でも、法律の専門家から見れば重要な場合もあります。そうして丹念に一つ一つのケースを見ていかなければ、正確で適切な解決には至らないのです。

ネットの情報源にも注意が必要です。ネットで調べているうちに時間がたち、事態が悪化したり、時効になったりする最悪のケースも考えられます。

福岡県弁護士会の場合、県内に19の法律相談センターを設置しています。30分の相談で5250円というコストはかかりますが、適切な解決の糸口が見つかる可能性は高まり、結果的に解決に要する時間とエネルギーも節約できるはず。お医者さんと同様、地元の弁護士にも気軽にご相談ください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 5月10日分掲載(成瀬裕)

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