「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2015年1月7日

古い借金 時効で返済不要も

▼Q 約15年前、貸金業者から借金しました。3年ほど返済を続けた後、引っ越しもあり、貸金業者から請求も受けていなかったこともあり、全額返済したと思い、それ以上お金を返していませんでした。ところが、先日貸金業者から「債権譲渡」を受けたという会社から返済するよう連絡がきました。立派な封筒に債権譲渡通知書が入っていました。怖く思っています。支払う必要はあるのでしょうか。

▼A 会社である貸金業者からの貸金の時効は5年、その他の貸金の時効や裁判で支払い義務が確定している場合の時効は10年です。今回のケースは既に10年以上請求を受けておらず、返済もしていないので請求された貸金は時効にかかっている可能性が高いと思われます。その場合、時効で消滅したことを業者に主張すれば、法律上支払う義務はなくなります。

古い貸金について「債権譲渡を受けた」などと言って請求をする業者は少なくありません。慌てて支払うと、後で時効の主張ができなくなることもあるので支払う前にまず時効の可能性を検討してください。時効にかかっていると判断される場合は、時効を主張する内容証明などで連絡することが有効です。また、弁護士から業者に連絡を入れると、すぐに借用書を返却してくる場合もあります。

時効援用の書面を送ってもしつこく請求書が送られてくるなど支払うべきか判断に迷ったときは消費生活センターや弁護士などに相談されることをお勧めします。

西日本新聞 1月7日分掲載(松澤 麻美子)

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