「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2018年8月8日

定期試験の過去問 解きたかったら

▼Q 公立中学校に通っている子どもが、期末試験の過去問を解いて勉強をしたいと言っています。入手する方法はありませんか。

▼A 国や独立行政法人、地方公共団体には、保有している文書を開示する情報公開(公文書開示)制度が整備されています。

お子さんが通っている学校が公立で、過去の期末試験の問題や模範解答が文書として管理されている場合、この制度を利用して、開示を受けられる場合があります。

具体的な手続きは、地方公共団体によって異なります。ウェブサイトや役所の情報公開担当部署で確認することをお勧めします。

一般的には、郵送やファクスで、開示してほしい文書を特定した公文書公開請求書を送ります。福岡市などでは、インターネット請求も可能です。文書の特定方法は、役所の情報公開担当者と話し合うといいでしょう。

請求後、役所から開示・不開示の決定通知書が送られてきます。開示が決定された場合、通知書には開示の方法(閲覧や写しの送付)、開示に必要な手数料(コピー代など)が記載されています。文書の全部や一部を不開示とする決定がされた場合は、審査請求を行って不服を申し立てることができます。決定の取り消しを求めて裁判を起こすこともできます。

福岡県弁護士会は、定期的に行政に関する無料相談会を実施しています。次回は30日午後3~5時。電話相談=092(724)2644。面接相談は予約=092(741)6416=が必要です。

西日本新聞 8月8日分掲載(木村道也)

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