「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2011年10月20日

震災無料法律相談の活用を

東日本大震災、福島第1原発事故で被災された方に心からお見舞い申し上げます。震災後、私たち九州・福岡の弁護士も被災地のために何ができるのか、話し合ってきました。そして選んだのが、被災者一人一人にお会いし話を聞くことでした。

政府の復興対策本部によると、判明分だけで福岡県に699人、九州全体で2320人が避難しています(9月22日現在)。そして例外なく、さまざまな法律問題を抱えているはずです。一方、そもそもそれが法律問題であることに気付かず、自分だけで抱え込んでしまっている現実があるようです。

先日、福岡に避難している被災者の集いに参加しました。お茶を飲みながら雑談する中で感じたのは、その場に来られない人もさまざまな法律問題を抱えているということでした。

福岡県弁護士会は、震災に関する法律相談に無料で対応。要望があれば県内全域を対象に弁護士が出向き、自治体やNPOが開く被災者の集いなどにも派遣する取り組みを始めました。

原発被害による補償、住宅ローンなどの借金返済、各種保険金の支払い、相続、雇用…。まさに法律問題そのものが被災者の前に立ちふさがっています。今こそ私たち弁護士の力量が試される時期。長期戦となることを受け止め、じっくり寄り添っていきます。

◆天神センター=092(741)3208。電話の際は、震災・原発に関する相談である旨をお伝えください。

西日本新聞 10月20日分掲載(坂巻道生)

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