「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2013年1月12日

「虐待かな?」 児童相談所へ連絡を

▼Q 息子の彼女(未成年)が親から暴力を受けているそうで、このまま家に帰すのは心配です。どこに相談すればいいですか。

▼A 虐待を受けた子を保護したり、親子関係を調整したりするのは児童相談所の仕事です。「虐待かな?」と思ったら、まずは児童相談所の全国共通ダイヤル=(0570)064000=に連絡を。通報者が誰か、親に知らされたり、虐待がなかったからといって責任を問われたりはしません。虐待を受けた子は児童相談所で一時的に保護され、その後も親元に帰すことが難しい場合は里親家庭や施設で育てられます。

どうにか保護された子も、大好きな両親から傷つけられた心と体が癒えるまでには、長い年月とたくさんの人の関わりが必要です。しかし、日本は予算があまりに少なく、手厚い支援には程遠いのが現状です。

とりわけ16、17歳といった年長の子は、落ち着いて生活できる居場所をなかなか見つけられません。さらに18歳を過ぎると児童福祉法の対象外となり、命からがら家を飛び出しても、公的に保護する仕組みがそもそも存在しないのです。

こうした10代後半の子たちを保護するため、弁護士や福祉関係者が集まって「子どもシェルター」を開設する活動が全国に広がっています。

福岡でも昨年2月、NPO法人・そだちの樹が「ここ」を開設しました。今月27日午後1時半からは、福岡市中央区のあいれふで開設1周年記念シンポジウムも開かれます。

居場所のない子たちへ。君は一人じゃない。私たちがそばにいるから一緒に歩いていこう。

◆「そだちの樹」事務局=050(3045)2769

西日本新聞 1月12日分掲載(安孫子健輔)

※このイベントは終了しました

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