「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2010年10月15日

「示談屋」「事件屋」に注意を

弁護士資格のない人が報酬を得る目的で、代理、仲裁、和解といった法律事務を業として扱うことを「非弁活動」「非弁行為」といいます。示談屋、事件屋などと呼ばれたりします。

こうした行為は弁護士法で禁止され、違反すれば刑罰(2年以下の懲役か、300万円以下の罰金)も科せられますが、なかなかなくなりません。

福岡県久留米市で2008年、交通事故の示談交渉を仲介して報酬を得た人たちが逮捕、起訴される事件がありました。被害者に支払われるはずの保険金の、約半分もの額を報酬として受け取った人もいました。

交通事故や金銭のトラブルに直面した際「私にすべて任せておけば大丈夫」「慈善事業でやっている」と言って近づいてきたりするので注意が必要です。

彼らは暴力団組織とかかわっていることも多く、いったん解決を頼んでしまうと、相手に不当な要求をしたり、依頼した本人にも法外な報酬を求めたり、さらには、その後の口止め料を強要したり・・・。解決どころか、かえって話がこじれて複雑になってしまうのです。また、交渉が難しくなると、知らんふりをして結局、泣き寝入りする事態になることもあります。

専門家に頼むのが確実です。知り合いに弁護士がいない、弁護士費用がかかるのでは、と思われる人も多いようですが、見積もりや契約書を交わして引き受けます。安心して弁護士にご相談ください。

◆天神弁護士センター=092(741)3208。

西日本新聞 10月15日分掲載(鍋嶋隆志)

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