「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2017年12月6日

家族からの性被害、どこに相談

▼Q 僕は中学生です。小学生の頃からずっと家族に体の大切な部分を触られています。怖くて抵抗できません。恥ずかしく、とてもつらく、誰にも相談できません。

▼A 性被害について相談できる場所があります。児童相談所や民間団体、弁護士会の相談電話は何でも相談できます。秘密は守られます。

男性の性被害は深刻です。「男の子なんだから強くなりなさい」「男のくせに泣くなんて」といったふうに、男性は男らしくあるべきという社会からのメッセージを浴びて生きています。そんな中で性被害に遭うと「弱い自分」を責め、苦しみ、誰にも相談できない状況に追い込まれがちです。でも男性だって当然、嫌なことは嫌と言っていいのです。

7月には性犯罪を厳罰化する改正刑法が施行されました。改正前の強姦(ごうかん)罪は女性の被害だけを対象にしていましたが、改正後の「強制性交等罪」は男性も被害者に含めます。

家庭内での性的虐待を念頭に、親などの「監護者」が立場を利用して18歳未満の人に性的な行為をすれば、暴行や脅迫がなくても罰することができる「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」も新設されました。

福岡県弁護士会は19日午後2時から、被害者支援について話し合うシンポジウム「犯罪被害者支援条例を考える・第2回」を福岡市・天神の天神ビルで開きます。弁護士会の犯罪被害者無料電話相談=092(738)8363(毎週火・金曜、午後4~7時)。

西日本新聞 12月6日分掲載(世良洋子)

※このイベントは終了しました

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