「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2019年2月20日

交通違反で処分、納得できない

▼Q 右折禁止の場所で右折してしまい、警察官から反則金の納付と減点を告げられました。私の前を走っていた車も右折していたし、右折禁止の標識も見当たらないので、納得できません。訂正してもらいたいのですが。

▼A 私たちは交通違反で「減点された」とよく言いますが、実際は、違反のたびに決まった点数を加えていく「累積方式」を警察は採っています。

交通違反で不服を訴える場合、反則金と点数で対応が異なります。反則金について争うなら、まずは反則金を納付しないことです。そうすれば刑事手続きに移り、捜査が行われるので、取り調べの際に警察官や検察官に事情を話すことができます。捜査の結果、検察官が「不起訴にすべき」と判断した場合は、納付する必要はなくなります。検察官が「起訴すべき」とした場合は起訴されるので、裁判所で自身の言い分を主張することになります。

点数については、この加点によって免許停止処分や、優良運転者でない免許更新処分になるなど、具体的な影響が出たときに、それらの処分に対して不服申し立てをするか、取り消し訴訟で争うことができます。ただ、単に加点されただけで影響がない場合は「訴えの利益がない」として訴訟は却下されます。却下されずに審理に進めば、自身の言い分を主張できます。言い分が認められれば、免許停止処分が取り消されたり、優良運転者として更新されたりします。

このような方法は自身で対応するのは難しいので、弁護士にご相談ください。

西日本新聞 2月20日分掲載(池田翔一)

目次