「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年11月18日

美容医療トラブル増

30歳の女性会社員です。先日、繁華街を歩いていると「今なら脱毛の無料体験が受けられる」と声を掛けられ、美容クリニックに案内されました。無料でしたが施術後、「毛穴がひどく黒ずんでいる」「今なら特別優待金額で契約できる」と迫られて総額50万円の契約を結んでしまいました。解約することはできないでしょうか。

最近、美容への関心の高まりを背景に、脱毛や脂肪吸引、二重まぶた手術など、美容医療サービスをめぐる消費者トラブルが増加しています。トラブルの中には「モニター価格」「先着○○名」「○○%OFF」と特典を強調したり、「早く施術しないと取り返しがつかなくなる」と不安をあおったりして、高額な契約をさせられている例が少なくありません。業者の中には、十分な医療技術を持ち合わせず、無資格者もおり、やけどや水ぶくれなどの危害を受けた例もあります。

美容医療サービスは、特定商取引法上の特定継続的役務提供には該当せず、中途解約が難しいとされます。ただ、ご相談のようにキャッチセールスで契約した場合はクーリングオフができる可能性があります。医療機関の情報を調べたり、施術の効果やリスクを確認したりして、慎重に契約することが大切。契約をしてしまった場合でも、1人で悩まず最寄りの消費生活センターや弁護士らに相談してください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 11月18日分掲載(住野武史)

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