「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2014年10月8日

期間超もクーリングオフ可能

▼Q 「1日2時間 月収40万円!」という勧誘に誘われて在宅ワークを申し込んだところ、初期登録費用として十数万円を請求されました。担当者からは、初期費用は1カ月もかからず回収できると説明されましたが、実際に1カ月やっても、1日に数百円程度しかなりません。初期費用だけでも回収したいのですが・・・。

▼A このような勧誘は、特定商取引法に言う「業務提供誘引販売取引」に該当する可能性が高く、クーリングオフで契約解除できます。しかし、クーリングオフができる期間は20日間。ご相談の場合、既に契約から1カ月以上経過している点が問題となります。

ただ、業務提供誘引販売業者は、契約内容などを詳細に記した書面を交付しなければなりません。クーリングオフ期間の20日間は、この書面を契約の相手方が受領してから進行します。書面を受け取ってなかったり、記載内容が足りなかったりした場合は20日間を過ぎていてもクーリングオフが可能です。また、業者が事実と異なる説明をしていた場合も同じです。

しかし、悪質な業者の場合、連絡が取れなくなり、居場所が分からなくなることもあり、時間が経過するほど返金の見込みは低くなります。「だまされたかも・・・」と思ったら、なるべく早く、消費生活センターや弁護士などに相談されることをお勧めします。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 10月8日分掲載(有松尚広)

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