「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2020年4月8日

18歳の子が契約、取り消せる?

▼Q 18歳の高校生の娘が、親に内緒で、高額なシャンプーを1年間定期購入する契約をインターネットで結んでしまいました。娘が自分で払える金額ではありません。代金を払わないといけませんか。

▼A 民法上、20歳未満の未成年者が親の承諾なく契約をした場合は、契約を取り消すことができます。ただし小遣いの範囲内の契約や、結婚している場合、未成年者が年齢を20歳と偽っていた場合は、未成年者であったことを理由として取り消すことはできません。

今回、娘さんはシャンプーを定期購入しており、販売店との間で契約が成立しています。しかし未成年者であり、親の同意を得ずに契約していますので、契約を取り消すことができます。取り消した場合、代金を払う必要はありません。

販売店に対し、速やかに契約を取り消すことを伝えましょう。トラブルの可能性を考えると、配達証明付きの内容証明郵便で出した方が確実です。

なお今は成年年齢は20歳ですが、民法改正により2022年4月1日から18歳に引き下げられます。その日以降、18歳と19歳は未成年者ではなくなるので、18歳が交わした契約は、たとえ高校生であっても取り消せなくなります。

もっとも、虚偽の説明がなされたなど、勧誘方法に問題があれば、契約を取り消せる場合があります。手続などが分からない場合は、お近くの消費生活センターや弁護士にご相談ください。

社会経験が乏しいのに、法的な保護がなくなった新成人を狙い撃ちにする悪質な業者もいます。内容を理解しないまま安易に契約を結んでしまわないよう、学校や家庭などでの教育や注意喚起が大事になってきます。

西日本新聞 4月8日分掲載(金丸有希)

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