「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2016年2月24日

当番弁護士 無料で1度面会

▼Q 息子が、覚せい剤を所持していたとして逮捕されました。決してそんなことをする子ではありません。弁護士に相談したいのですが、弁護士の知人はおらず、弁護士費用もすぐには用意できません。

▼A 当番弁護士制度を利用してください。この制度は、逮捕された被疑者か、その親族の依頼に応じて、弁護士会が派遣する弁護士が初回無料で、逮捕された人に面会に行く制度です。逮捕された地域の弁護士会に本人か家族が連絡すれば、派遣依頼ができます。

依頼を受けた弁護士は、早急に面会に向かい、被疑者に事実確認と法的アドバイスをします。被疑者は少なからず不安や戸惑いを抱き、冷静に判断できないことが多々あります。早期に弁護士が面会して、今後の手続きの流れや黙秘権などの権利があることを説明し、不安を軽くすることが極めて重要です。

当番弁護士制度は25年前、被疑者の権利を守るため、福岡県と大分県の弁護士会が全国に先駆けて始め、その後全国に広がって、被疑者国選弁護制度の創設につながりました。九州から国の制度を変える潮流が生まれたのは大変誇らしいことです。

福岡県弁護士会は、27日午後1時から福岡市・天神の都久志会館で、当番弁護士発足25周年記念シンポジウム「陽(ひ)は西から昇る~当番弁護が変えた刑事司法」を開きます。ぜひご参加ください。参加は無料。問い合わせは福岡県弁護士会=092(741)6416=へ。

西日本新聞 2月24日分掲載(牟田功一)

※このイベントは終了しました

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