「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2023年8月30日

「いじめかも」まずは相談を

▼Q 中学1年の長女が最近登校を嫌がっています。交流サイト(SNS)のグループトークに悪口を書き込んでいる友だちを注意したら、グループから外され、学校でも無視されているようです。いじめと思うのですが、どう対処したらいいでしょうか。

▼A お子さんも親御さんもさぞおつらいでしょう。

いじめ防止対策推進法は「いじめ」を広く定義しています。いじめを見過ごさないためです。ご相談のケースでは、友だちから無視されるのがつらくて学校に行きたくない気持ちにまでなっています。このため、いじめに当たると考えられます。

この法律では、学校はいじめに関わる相談を受けた場合、適切な措置をとらなければならないとされています。ただし、ご相談のケースのようなSNS上でのいじめの場合、学校が把握することが難しいこともあります。そのため、まずは親御さんから担任の先生やスクールカウンセラーなどに相談してみてください。

相談を受けた学校は、いじめの事実の有無を確認するため、双方から事情を丁寧に聴き取るなどの措置をとる必要があります。いじめがあったことが確認された場合には、学校はいじめを受けた児童生徒への支援と、いじめをした児童生徒への指導などを行うものとされています。学校が適切に対応してくれない場合には、弁護士へのご相談も可能です。

福岡県弁護士会では、子どもに関する問題について「子どもの人権110番」を実施しています。電話かLINE(ライン)で相談でき、無料です。同弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 8月30日分掲載(村上可奈)

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