「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2014年6月18日

暴言や経済的締め付けもDV

▼Q 毎日、夫から「無能だ」とののしられ、日用品の購入も任せてもらえません。暴力は振るわれていませんが、つらいです。離婚できますか。

▼A 安らげるはずの家庭内で暴言を吐かれたりする日々は、心身の健康を脅かしかねません。ドメスティックバイオレンス(DV)には身体的な暴力だけではなく、暴言や経済的な締め付けなど、心に有害な言動も含まれます。この「精神的DV」の被害を、あなたも受けていると考えられます。

離婚を希望しているものの、配偶者との話し合いが難しいのであれば、家庭裁判所で法的手続き(調停や裁判)をとり、ここでDV被害を主張できます。

もっとも、精神的DVは言葉や態度にしか現れないので、第三者には分かりにくい面もあります。配偶者が暴言の事実を否定することも考えられます。後々のために証拠として残せるよう、今のうちから準備が必要な場合があるので、弁護士や各自治体の女性センターなどにいる専門家に相談してください。

福岡県弁護士会でも今月23~26日に、各地の女性センターなどと共催で「女性の権利110番」を実施します。女性弁護士と相談員が無料で電話相談に応じます。日程や電話番号は地域によって異なるので、詳細は県弁護士会のホームページ(http://www.fben.jp/)で確認してください。
福岡県弁護士会=092(741)6416=でも詳細を案内します。

西日本新聞 6月18日分掲載(柏熊志薫)

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