「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2019年5月29日

飲食店で外国人を雇いたい

▼Q 和食店で留学生を接客アルバイトとして雇っています。これまでは留学生が卒業すると留学ビザが切れてしまい、雇うことができなかったのですが、法改正で外国人を雇えるようになったと聞きました。とてもよく働くし、本人も希望しているので、卒業後にフルタイムで雇いたいのですが。

▼A 日本における在留外国人は約273万人(2018年末)で年々増加しています。外食業では約14万人の外国人が働いており、大半は留学生や、外国料理の技術・経験を持つ調理師です。外食業の有効求人倍率は4.32倍(17年度)と高く、人手不足が顕著です。

そこで入管難民法改正により、今年4月から、外食のほか介護、建設など人手不足の14分野に関しては「特定技能1号」という在留資格が新設されました。飲食店などで調理や接客、店舗管理などに従事する場合は、外国人を雇用できるようになりました。

お尋ねのお店でも、留学生が卒業後、特定技能1号の在留資格を取得すれば、最長5年間働くことが可能です。取得するには、留学生が日本語能力試験と、食品衛生や調理業務についての技能測定試験にパスしなければなりません。6月に福岡市でも技能測定試験が実施される予定です。

一方で雇用する側は、外国人の支援体制を整える義務がありますし、業界ごとに設置される協議会に加入しなければいけません。受け入れの条件を満たすか、どのような書類が必要か、早めに確認し準備しておきましょう。

西日本新聞 5月29日分掲載(中原幸治)

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